●情報センターお知らせ

No.10 子供の飲み薬のなぜ?

2015.08.13

子供の飲み薬のなぜ?

風邪を引いたときに解熱剤をもらったのですが、どれくらいの熱で飲ませばいいのですか?

風邪を引いたときに発熱するのは、免疫機能を高め、体内に侵入した細菌やウイルスなどをやっつけようとしているからです。そのためむやみに熱を下げると、細菌やウイルスと戦う力が弱くなり、風邪を長引かせてしまうことになりかねません。基礎疾患のない健康な子供には、安易に解熱剤を使用せずにクーリングをしながら様子を見るほうがいいでしょう。子供が解熱剤を服用する場合の発熱の目安は38.5℃です。38.5℃以上の高熱が続き、食欲不振や脱水症状などが現れた場合は、解熱剤の使用を検討する必要があります。また、熱性けいれんの既往歴がある場合は、38℃以上の発熱で解熱剤を使用するほうがいいでしょう。子供に解熱剤を使用する場合はアセトアミノフェン(カロナール、コカール等)が安全とされています。アスピリンやジクロフェナクナトリウム(ボルタレン)などは、脳症を誘引する可能性があるので、避けたほうがいいでしょう。

卵アレルギーの子供が飲んではいけない薬はどのようなものですか?

TH_LIFD002薬には鶏卵由来の成分や添加物が含まれていることがあるために、卵アレルギーの子供は注意が必要です。炎症を抑える効果のある塩化リゾチームは卵白由来のたんぱく質で、卵白アレルギーを持つ人が服用すると、アナフラキシーショックなどを起こす危険性があるので禁忌とされています。また、注射には卵黄レシチンが含まれているものもあり、これも禁忌とされています。医療機関を受診の際は、卵アレルギーがあることを必ず申し出るようにしてください。

牛乳アレルギーの子供が飲んではいけない薬はどのようなものですか?

牛乳には20種類以上のたんぱく質が含まれていますが、そのなかのカゼインやラクトグロブリンが牛乳アレルギーの原因と考えられています。薬の中には添加物としてカゼインを含むものが何種類かあります。カゼインは医療用医薬品だけでなく、一般用医薬品にも含まれていますので注意が必要です。また整腸剤の中にも、牛乳由来の成分を含む培地で培養されているものもあります。牛乳アレルギーがある人も、医療機関を受診する際には必ずその旨を申し出るようにしてください。

粉薬をもらったのですが子供が飲みません。どうすればいいのですか?

薬は水または白湯で服用するのが基本ですが、子供の場合、苦味を嫌って飲まないこともあるので、小児用の粉薬は飲みやすいように色々な工夫がされているものがほとんどです。それでも飲まない場合は、少量のジュースやプリン、アイスクリームなどに混ぜて飲ますといいでしょう。服薬補助ゼリーなどを使うのもひとつの方法です。いずれの場合も飲食物に溶かしたら、時間をおかずにすぐに服用するようにしましょう。オレンジジュースやスポーツドリンクのような酸性の飲料に溶かし、時間がたつと、かえって苦味が増す場合があります。溶かしたらすぐに飲ませるのが原則です。薬を牛乳に溶かすことは避けてください。牛乳の味が変わり、牛乳嫌いになってしまう可能性があるので、牛乳に混ぜることはお勧めできません。個人差はありますが、チョコレート味のアイスクリームに薬を混ぜると、苦味がわからなくなり、比較的飲ませやすくなるという声をよく聞きます。一度お試しください。

症状がよくなれば薬の服用はやめてもいいのですか?

薬の種類によってやめていい薬とそうでない薬があります。風邪で発熱した場合などは、熱が下がったら解熱剤を服用する必要はありませんが、抗生物質や抗ウイルス剤は投薬された日数分をきっちりと服用してください。抗インフルエンザウイルス薬のタミフルは服用を開始して2日程度で熱が下がることが多いのですが、熱が下がっても体の中からインフルエンザウイルスが消失したわけではありません。周囲への感染の可能性がありますので、5日分服用する必要があります。その他、喘息やアレルギーなど慢性疾患で服用している薬については、症状が軽減しても勝手に薬を減量または中止することはやめてください。必ず主治医と相談の上、主治医の指示に従ってください。

過去の一覧

2016.05.30
No.17 不眠症と薬物療法について
2015.08.19
No.16 日焼け対策と美白化粧品について
2015.08.18
No.15 お薬の副作用について
2015.08.17
No.14 食物アレルギーについて
2015.08.16
No.13 熱中症について

一覧を見る

ページトップ