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No.11 虫刺されのセルフケア
2015.08.14
虫に刺されたらなぜかゆくなるの?
虫にさされた時に皮膚は痒くなり、赤く腫れます。虫の種類によっては痛みを伴う場合もあります。虫に刺されたら、なぜ痒くなるのでしょうか?蚊に刺された場合を例に挙げて説明しますと、蚊は口の先についている針のようなものを人間の皮膚に刺して血を吸いますが、その時に血を吸い易くするために唾液を人間の皮膚に注入します。蚊に刺されたときの皮膚症状は、この注入された蚊の唾液物質によるアレルギー反応です。蚊の唾液の中にはアレルギーの原因となるヒスタミン様物質が含まれているため、蚊に刺されるとすぐに痒くなり、腫れたり赤くなったりします。それは約30分後にピークに達し、1~2時間で消失します。蜂に刺された場合は蚊に比べると少し厄介になります。蜂に刺されると刺し口からは出血し、激しい痛みを伴って、真っ赤に腫れあがります。人によっては何回か刺されているうちにアナフラキシーショックを起こし、死亡する場合もあります。
虫の違いで症状も違うのですか?
一般的に虫刺されと聞いて一番に思い浮かべるのが蚊だと思います。先にも述べましたように蚊に刺されると痒みを感じ、赤く腫れます。通常は2~3時間で症状は軽減します。
次にノミに刺された時の症状をご紹介します。現在日本で見られるのはほとんどがネコノミで、犬に寄生しているノミの7~8割はネコノミといわれています。ネコノミの飛躍の高さはちょうど成人の膝の高さなので、膝から下に皮疹が出るのが特徴です。皮疹は蚊と似ていて、中心に刺点があり、赤く腫れはす。時には大きな水泡になる場合もあります。最近のペットブームで、ノミによる被害も増加傾向にあります。
トコジラミ(ナンキンムシ)は夜行性で、夜中に一斉に出てきて人間を刺し、血を吸います。皮疹は蚊の時と同様、痒みを伴い赤く腫れます。
虫に刺された時に家庭でできる治療法を教えてください。
虫に刺されたときの治療方法は皮膚症状や程度に応じて、抗ヒスタミン含有軟膏、副腎皮質ホルモン外用剤、抗生剤含有軟膏などを使います。痒みを伴う紅斑には抗ヒスタミン含有軟膏を用います。痒みが強く軽い腫れを伴う紅斑には副腎皮質ホルモン含有軟膏を用います。紅斑部分が熱を持っているようであれば、副腎皮質ホルモンの内服も必要な場合がありますので、皮膚科を受診することをお勧めします。痒みがひどいために強く掻いて、出血や分泌物がある場合は抗生物質の塗り薬や、程度によっては内服が必要な場合もあります。痒みが強いときは、できるだけ掻かずに、冷やして痒みを紛らわすなどをして、皮膚を傷つけないようにしましょう。
いずれの場合もひどいときは、皮膚科を受診するようにしてください。
ハチに刺されたときは、どうすればいいのですか?
ハチに刺されたときの症状は、その部分だけにあらわれる場合と全身に現れる場合があります。局所症状だけの場合は、先に説明しました虫刺されと同じ処置でいいのですが、全身症状が現れた場合は、直ちに医療機関を受診する必要があります。ハチに刺されて全身が赤くなったり、気持ちが悪くなったり、息苦しい、胸が苦しい、動悸がするなどの症状をアナフラキシーショックといいますが、この症状が現れたら、一刻を争って救急医療処置のできる医療施設に運ばなければ、命にかかわることもありますので、注意してください。軽症の場合は、針を抜いて、幹部を石鹸と流水でよく洗い、ステロイドの塗り薬を塗った後、患部を冷やします。ハチに刺されたらアンモニアが効果的と言われていますが、ハチの毒成分にはアンモニアは全く効果がありませんので注意してください。繰り返しハチに刺されていると、アレルギー反応が強くなり、突然アナフラキシーショックに陥ることもありますので十分注意してください。
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