●情報センターお知らせ
No.6 坐薬のなぜ?
2015.08.09
座薬のなぜ?
坐薬を使うときに上手に入れる方法は?
坐薬は肛門または膣に使用する固形の外用薬で、直腸、肛門、膣などの局所に作用するものと、粘膜から吸収されて全身に作用するものとがあります。
坐薬を取り扱うときはまず手を洗います。便秘用の坐薬以外はできるだけ排便を済ませた後に挿入します。坐薬のすべりが悪いときは、少し手の中で温めると挿入しやすくなります。坐薬を包装から取り出し、ティッシュペーパー等でつまみ、先のとがったほうを肛門の奥まで入れます。中腰で挿入する場合は第一関節くらいまで挿入後、しばらく動かず、その後ゆっくり立ち上がれば自然に肛門内に収まります。
横になったまま挿入する場合は横臥位(横向きで寝た姿勢)になり、両足を曲げ、体を「く」の字に曲げます。挿入後しばらく動かずにいて、2~3分後に足をゆっくり伸ばせば肛門内にうまく収まります。
乳幼児に挿入する場合は、オムツを換える要領で両足を持ち上げ、挿入後4~5秒押さえた後しばらくしてから足をゆっくり伸ばすとうまく収まります。
挿入後異物感や便意を感じても、しばらくすれば治まります。坐薬を使用後に油状の排泄物が出ることがありますが、薬に含まれる成分ですので心配は要りません。
坐薬を2種類使うときはどうしたらいいのですか?
2種類以上の坐薬を使用する場合、使う順番は基剤によって決まります。坐薬の基剤には大きく分けて水溶性のものと油脂性のものがあります。
小児には解熱薬、制吐薬、抗けいれん薬などの坐薬がよく使われます。また、解熱薬と抗けいれん薬、あるいは解熱薬と制吐薬というように2種類の坐薬を組み合わせて使うことも珍しくはありません。しかし坐薬を併用する場合、使う順番によっては有効成分の吸収に影響が出ることもありますので十分な注意が必要です。
例えば熱性けいれんでダイアップ坐剤とアンヒバ坐剤が処方されている場合、まず水溶性基剤であるダイアップ坐剤を入れ、ジアゼパムが吸収されてからアンヒバ坐剤を入れる必要があります。少なくとも30分以上の間隔は空けなければいけません。
基剤の種類 | 成分名(主な商品名) |
油脂性基剤 | アセトアミノフェン (アンヒバ、アルピニー) フェノバルビタール (ワコビタール) |
水溶性基剤 | ジアゼパム (ダイアップ) ドンペリドン (ナウゼリン) 抱水クロラール (エスクレ) |
坐薬は冷蔵庫の保管しないといけないのですか?
坐薬の基剤には大きく分けて2種類あると前述しましたが、油脂性基剤は体温によって溶解し、薬物を放出するため融点(溶ける温度)は34~39℃となっています。水溶性基剤は分泌液に徐々に溶解し薬物を放出するために融点は50~60℃と少し高めになっています。坐薬は必ずしも冷蔵庫で保管しなければいけないということはありませんが、気温が高くなる夏などは冷蔵庫で保管するほうがいいでしょう。また一度溶けてやわらかくなった坐薬は、尖った方を下にして冷蔵庫で固めれば再度使えるものもありますが、全ての坐薬がそうであるとは限りませんので、薬剤師にお尋ねください。
坐薬を入れたら5分くらいで便に出てしまったのですが?
坐薬を使用する前はなるべく排便を済ませてから使用するようにしましょう。冷蔵庫から出したばかりの冷たい坐薬を挿入すると、腸が刺激され便意を催すことがよくあります。坐薬を入れてすぐにでてしまった場合は、再度入れなおしてください。入れてから5分くらいで出た場合、溶けかけで形が崩れていなかったら、再度入れなおしてください。溶けて形が崩れていれば、どれくらい薬が吸収されたかの判断が難しいため、しばらく様子を見て、必要であれば再度入れてください。坐薬の効果がどれくらいで発現し、どれくらいで消失するかで次の坐薬を入れるかどうかが変わってきますので、注意が必要です。詳しくは薬剤師にお尋ねください。
成分名(主な商品名) | 効果発現時間 | 効果持続時間 |
ジクロフェナクナトリウム (ボルタレンサポ) |
鎮痛:10~20分 解熱:30分以内 |
約5時間 6~8時間 |
アセトアミノフェン (アンヒバ坐剤) |
30分以内 | 約4時間 |
ジアゼパム (ダイアップ坐剤) |
15~30分 | 約8時間 |
ドンペリドン (ナウゼリン坐剤) |
1~1.5時間 | 約7時間 |
フェノバルビタール (ワコビタール坐剤) |
1時間 | 数時間(個人差が大きい) |
※上記表は目安です。効果には個人差があります。
過去の一覧
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