●情報センターお知らせ
No.8 大人の飲み薬のなぜ?
2015.08.11
大人の飲み薬のなぜ?
薬は水や白湯以外のもので飲んではいけないのですか?
どんな薬でも水またはぬるめの白湯で服用するのが一般的といえるでしょう。胃の中に流し込むだけなら何でもいいように感じますが、アルコールや濃いお茶、濃いジュースなどで飲むと薬の吸収に影響を与え、通常よりも薬の効果が強く出る可能性があるので、避けたほうがよいでしょう。また温度も薬の吸収に影響を与えることがあります。熱いお湯で薬を服用すると、通常よりも早く溶けたり、においなどに影響して飲みにくくなる場合もあります。
小児用のマクロライド系のドライシロップはジュースと混ぜることで苦味が増し、かえって飲みにくくなることもあります。原則として薬は水またはぬるめの白湯で服用するようにしましょう。
「食間」とはいつの事を指すのですか?
服用時点の中に食間というのみ方がありますが、食間とは食事中の意味ではなく、食事と食事の間を意味します。つまり、食後約2時間くらいの空腹時を指します。漢方薬などは薬の吸収を高めるために食間または食前に服用するのが一般的です。
食前や食間という服用方法の場合、しばしば飲み忘れもありますが、そのような時はどうすればいいかは薬によって違います。
漢方薬を食前に飲み忘れたときは食間に服用しても問題はありませんが、糖尿病の薬は食間に服用すると低血糖を起こして大変なことになります。食前に服用する糖尿病の薬を飲み忘れた場合、SU剤は食後に服用すれば問題はないですが、α-グルコシダーゼ阻害薬は食事から15分以上経って服用しても効果はありません。またアルドーシス還元酵素阻害薬は食直後であっても食前服用に比べ効果は半分以下になります。
服用時点によって薬の効果にかなり影響がでるものもありますので、決められた服用時点を守りきっちりと薬を飲むことが効果的な治療につながります。
1日3回食後服用となっていますが食事は2回しか取りません。薬も1日2回でいいのですか?
薬を食後に飲むのは飲み忘れを防ぐため、また食後のほうが胃に対しての負担が軽減されるためなので、1日3回服用する薬は、食事をする、しないにかかわらずその時間になれば服用する必要があります。ただし、糖尿病の薬は食事をせずに服用すると低血糖を起こすので、食事が不規則な場合は必ず医師に相談してください。
通常1日3回服用する薬は、1日3回服用することで十分な効果が得られます。抗生物質などは決められた回数を服用しなかった場合、十分な効果が得られないだけでなく、耐性菌を生じる可能性もあります。1日2回しか食事を取らない場合、多くは朝食を抜いているケースが多いと思われます。食事をせずに薬を服用すると、胃に対しての負担が大きくなるなどの不都合が生じるので、例えばバナナ半分、ビスケット1枚でもいいので何か口にしてから薬を飲むようにしてください。特に非ステロイド性解熱消炎鎮痛薬などは空腹時に服用すると胃に負担がかかるので、胃薬を併用するとか、1日2回の服用で効果が得られるものに変更してもらうのがいいでしょう。
薬は決まった用量を決まった回数服用して初めて効果があることを覚えておいてください。
薬を飲み忘れたときはどうすればいいですか?
先ほども述べたように、薬は決まった回数を服用すれば十分な効果が得られますが、うっかり忘れてしまうこともあると思います。
1日1回服用する薬を飲み忘れた場合は、気が付いた時点で服用してください。ただし、次の服用時間までの間隔が8時間よりも短いときは、次の服用時間を少し遅らせてください。ジスロマックのような初期段階が重要な薬は、気づいた時点で服用しても問題はありません。
1日2回服用の薬を飲み忘れた場合は、一般的には1回分を飛ばして次の服用まで待ちますが、リレンザやタミフルのように初期段階が重要な薬は、気づいた時点で服用し、次の服用を少し遅らせます。
1日3回服用の薬を飲み忘れた場合は、通常は1回分を飛ばして次の服用を待ってください。
これらは全て一般的な話です。
個々の薬について、飲み忘れた場合の対応については主治医または薬剤師にご相談ください。
過去の一覧
- 2016.05.30
- No.17 不眠症と薬物療法について
- 2015.08.19
- No.16 日焼け対策と美白化粧品について
- 2015.08.18
- No.15 お薬の副作用について
- 2015.08.17
- No.14 食物アレルギーについて
- 2015.08.16
- No.13 熱中症について